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【 学術・連載 】

掲載:No.4850 2017年4月8日発行

落とし穴にハマらない! プライマリ・ケア診療での診断エラー回避術(10)[最終回]右下腹部痛で紹介受診した78歳女性

愛知医科大学病院総合診療科/プライマリケアセンター  中川紘明
愛知医科大学地域医療教育学寄附講座教授/医学教育センター副センター長  宮田靖志

CASE:78歳,女性。脳梗塞の既往あり。今朝から心窩部痛に続いて嘔気・嘔吐がみられ,その後発熱,右下腹部痛が出現したため近医を受診したところ,急性虫垂炎疑いで消化器内科紹介受診となった。紹介元は医局(消化器内科)の先輩医師である。担当した研修医は,消化器内科のローテーションも3カ月目となり,急性虫垂炎は多く経験していた。午前外来終了後に下部消化管内視鏡検査の予定が入っており,午前外来を早く終わらせようと急いで診察していたところであった。
身体所見:血圧132/74mmHg,脈拍数88回/分(整),体温38.2℃
右下腹部に圧痛を認める。反跳痛はなし。
検査所見 白血球15000/μL,CRP 13.6mg/dL
T-Bil 0.88mg/dL
AST 42IU/L,ALT 44IU/L
ALP 211IU/L,LDH 207IU/L


<研修医の思考過程>
・ 心窩部痛に続いて嘔気・嘔吐, 発熱, 右下腹部痛がみられている。
・ 症状の出現順からしても急性虫垂炎でよさそうだ。
・ この3カ月で急性虫垂炎は多く診てきたから診断には自信がある。
・ 紹介元は普段から大きな信頼を寄せている先輩医師だから, 診断に間違いはないだろう。
・ 身体所見で右下腹部に圧痛を認めることだけを再確認した。
・ 午後からは検査の予定が入っている。すぐに腹部造影CTを撮影して,午後の外来担当医に引き継ごう。

<上級医の思考過程>
・ 心窩部痛に続いて嘔気・嘔吐, 発熱, 右下腹部痛がみられた高齢女性である。
・ 右下腹部痛を訴える患者を見たら, 常に急性虫垂炎を念頭に置いて診察することは重要だ。しかし, 問診・身体診察は再度行いたい。
・ 痛みに関して詳しく確認したところ, 痛みが心窩部から右下腹部へと移動してきたわけではなく, 心窩部痛に続いて右季肋部痛と右下腹部痛が同時に出現したようだ。
・ 身体所見では, 確かに右下腹部に圧痛を認めたが,McBurney点よりも若干頭側で, 追加の問診通り心窩部~右季肋部にかけても圧痛を認めた。
・ 虫垂炎でみられる身体所見(Obturator徴候・Psoas徴候・Rovsing徴候)を確認したが,いずれも陰性であった。
・ さらに詳しく問診を行ったところ, 右肩甲骨の下あたりにも痛みがあるとのことであった。

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